本記事では、投資に関心があるが、まだ実際には投資の経験が少ない初心者や、既に投資を始めているが、新たな投資法として積立NISAを活用したいと考えている方々に、積立NISAの基本情報と活用法、そしてその中でも特におすすめの銘柄について解説します。
NISAと積立NISAの違いを知る
NISAは2014年から始まった制度で、一般的なサラリーマンや主婦などが少額でも投資を始めやすい環境を作ることを目的としています。
いわゆる少額投資非課税制度であり、一定額までの投資利益に対して税金がかからないメリットがあります。
その一方で、NISAには一度に大きな金額を投資する必要がありました。
大きなお金を用意せずともNISAを始められるように、2018年からスタートした積立NISAでは、毎月一定額を自動的に投資することができるようになりました。
これにより、手軽に投資を始められ、また、長期的にコンスタントに資産形成をすることが可能となりました。
非課税の対象額が大きな違い
NISAは、年間最大120万円までの投資が非課税の対象となりますが、積立NISAの場合は年間最大40万円です。
どちらも非課税期間は5年間で、その期間内に得た投資利益については税金がかからないというメリットがあります。
さらに、積立NISAでは積立金額を自由に設定できるため、初心者でも少額から始められます。
積立NISAの開設と利用方法
積立NISAの開設は、金融機関や証券会社で申し込むことにより可能です。開設手続きはオンラインでも行え、口座開設後に積立額と投資する銘柄を設定することでスタートします。
一度設定したら、その後は手間をかけずに自動的に投資が続けられます。ただし、自分のライフスタイルや資産状況、投資目標に応じて、積立額や積立期間を決定、見直しをすることが重要です。
市場環境の変化や経済の変化に敏感になっているほうがいざという時のリスクを減らすことができます。
積立NISAの銘柄選びの基本戦略
積立NISAで投資する際の基本的な考え方は、自分の投資目標やリスク許容度を明確に理解することから始まります。
例えば、資産形成の目的が老後資金の確保である場合、リスクを抑えつつ確実なリターンを求めるといった戦略が考えられます。
また、資産運用の期間も考慮に入れることが重要で、長期投資であれば、リスクが高めの銘柄にもチャレンジできる余裕が生まれるはずです。
注意点はリスクとリターンは表裏一体の関係にあるということです。
リターンを求めるあまりリスクを冒すのは避けたいところですが、一方でリスクを極力避けるあまりリターンが低くなるのも問題です。
このバランスをどう取るかは投資家個々のリスク許容度や投資目標によるところが大きいです。一般的には、多様な資産クラスに分散投資を行うことで、リスクとリターンのバランスを適切に保つことが推奨されます。
積立NISAの銘柄選びのポイント
積立NISAには国内株式や海外株式、ETF(上場投資信託)などの選択があります。
それぞれの特徴を確認してみましょう。
国内株式
大手企業の株は安定した運用を期待できます。その中でも、しっかりとした経営基盤を持ち、長期的に安定した成長が見込まれる企業の株式は特におすすめです。また、特定の産業に強みを持つ中小企業の株式も、その産業の成長に連動するリターンが期待できます。
海外株式
海外の成熟市場に投資することで、より広範なリスク分散が可能となります。特にアメリカやヨーロッパの大手企業の株式は、その大きな市場規模と経済の安定性から長期的な成長が期待できます。
ETF(上場投資信託)
ETFは、特定の株価指数に連動する投資成果を目指します。そのため、個々の企業の業績リスクを気にせずに、広範な市場全体の動きに連動するリターンを享受することが可能です。
その他の銘柄
REIT(不動産投資信託)や債券も投資対象として考えられます。これらは株式とは異なるリスク・リターン特性を持つため、全体のポートフォリオのバランスをとるために役立ちます。
積立NISAでの長期的な投資戦略
積立NISAはドルコスト平均法での運用となります。
ドルコスト平均法とは、一定の金額を一定の期間で投資することにより、市場の変動リスクを緩和する投資戦略の一つです。
積立NISAはこのドルコスト平均法を自然と実現する仕組みとなっています。
投資信託やETFなどの分散投資商品を活用することで、さらにリスクを抑えることも可能です。
積立NISAを活用するための5つのステップ
積立NISAを活用するための5つのステップをご紹介します。
自己分析と目標設定
自分自身の投資目標やリスク許容度を明確にすることから始めます。それが長期的な資産形成であるのか、中期的な目標達成のための資金形成であるのか、その目標によって投資戦略は変わってきます。
銘柄選択
自分の投資目標やリスク許容度に基づいて投資対象を選びます。どのような銘柄に投資すべきかは、自身の投資目標やリスク許容度、そしてその銘柄の特性を理解することが重要です。
積立額と積立期間の設定
長期的な投資目標に対して適切な積立額と積立期間を設定します。積立額は自身の収入や生活費から考慮し、無理なく続けられる額を設定します。積立期間は投資目標やライフプランに応じて設定します。
必要に応じて戦略の見直し
投資状況やライフスタイルの変化に応じて、投資戦略を適宜見直します。投資は長期的な活動であるため、その途中で状況は変わっていきます。そのため、柔軟に戦略を見直すことが成功の鍵となります。
積立NISAで活用したいおすすめ証券会社
積立NISAで活用したいおすすめ証券会社を8つ紹介します。
それぞれ特徴が異なるのでご自身に合ったものを選択してみてください。
SBI証券
SBI証券は、ネット証券業界で最大手の一つで、圧倒的な商品数と低い手数料が魅力的です。
株式、投資信託、外国為替、国債、新興国債、ETF、REITなど、非常に多種多様な金融商品を取り扱っています。
その中でも、投資信託のラインナップは業界最大級で、投資スタイルや目標に合わせて適切なファンドを見つけられると思います。
また、初心者向けの情報提供や投資教育サービスも充実しており、投資の基本から学びたい人にもおすすめです。
野村證券
野村證券は日本最大の証券会社で、長い歴史と確かな実績を持ちます。
そのため、個別銘柄のリサーチ能力や専門家による豊富な情報提供が強みとなっています。
また、全国に支店を持つため、対面でのコンサルティングサービスを受けることができ、投資のプロから直接アドバイスを受けられるという安心感もプラスされます。
投資信託、株式、債券など多種多様な金融商品を扱っていますのでぜひ検討いただきたい証券会社です。
マネックス証券
マネックス証券は、投資情報提供サービスが特徴的なネット証券会社です。
投資情報はとても充実しており、特に米国株の取り扱いや情報提供に関しては満足度が高いと思われます。
また、取引システムの使い勝手やスピーディーな取引が可能な点もユーザーから好評のようです。
投資信託や株式、債券、FX等、一通りの金融商品を取り扱っており、初心者から上級者まで幅広い投資家に対応しています。
楽天証券
楽天証券は、楽天グループの一員として、ポイントサービスが特徴的なネット証券会社です。
楽天スーパーポイントが投資に活用でき、また投資で得たポイントは楽天市場などでショッピングに利用可能なので利便性という点でも優位に立てそうです。
また、株式、投資信託、FX等の幅広い金融商品を取り扱っており、初心者から上級者まで対応可能です。
投資に関するセミナーや情報提供サービスも充実していますのでぜひご検討ください。
松井証券
松井証券は、初心者から上級者まで対応したネット証券で、特に投資初心者に向けたサポートが充実しています。
手数料が非常に安価であるため、小額からの投資を始める方にとっては非常に手頃です。
また、投資教育に力を入れており、無料のセミナーや投資情報サービス、初心者向けのガイドブックなど、投資を始めるための情報が豊富に提供されています。
大和証券
大和証券は、個人向けのリテール業務から機関投資家向けの業務まで幅広く手がける証券会社です。
ルパン三世をキャラクターとして活用したことでも話題になりましたね。
大和証券は投資信託、株式、債券、FXなど幅広い金融商品を取り扱っており、個々の投資ニーズに合わせた運用を提案します。
また、資産運用に関する専門的なアドバイスや、定期的なポートフォリオのレビューといったサービスも充実しています。
カブドットコム証券
カブドットコム証券は、ユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富な投資情報が魅力のネット証券です。
投資初心者にも使いやすいシンプルな操作画面と、丁寧なカスタマーサポートが評価されています。
また、投資信託の積立サービスに力を入れており、積立NISAを始めるのに適しています。
初めての投資でも安心して取り組むことができ、投資を学びながら始めることが可能です。
みずほ証券
みずほ証券は、みずほフィナンシャルグループの一員であり、そのネットワークと安定性が魅力です。
金融商品の取り扱いが多岐にわたり、株式、投資信託、債券など、投資の幅を広げることが可能です。
また、全国に支店を持つため、対面でのコンサルティングも可能で、個別の投資相談に対応してくれます。
さらに、みずほ銀行との連携も密で、預金と投資の一元管理や振替サービスなども提供されています。
積立NISAとiDeCoの違い
積立NISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)は、どちらも非課税制度を活用した投資方法ですが、目的や特性、制度上の違いが存在しますので、自身に合ったほうを選択するのが良いでしょう。
積立NISAは、特に中長期的な資産形成を目的とした投資方法で、毎年最大40万円(2023年現在)までの投資が非課税となります。
利益が出た場合、それに対する税金が非課税期間中は課せられません。また、選べる金融商品は株式や投資信託など比較的幅広いのも良いところです。
一方、iDeCoは退職後の生活資金を自分で準備するための制度で、収入に応じて一定額を拠出し、その拠出金が所得控除となるのが特徴です。
簡単に言えば個人で入る年金制度であると言えるでしょう。
運用益は非課税ですが、年金として引き出す際には一定の税金が課せられます。
金融商品は主に投資信託や保険商品等で、積立NISAよりも選択肢は少ないため、迷うことはあまりないはずです。
それぞれの特性を理解し、自身のライフプランや資産形成の目的に合わせて活用することが大切です。
【まとめ】積立NISAは自分に合った証券会社と銘柄を選ぼう
積立NISAを利用することで、投資初心者でも安定的に資産を形成することが可能です。
しかし、そのためには、適切な投資戦略の設定とそれに基づいた銘柄選択、そして投資状況の定期的な確認・見直しが必要となります。
本記事を参考に、積立NISAを賢く活用して資産形成に取り組んでみてください。
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